日本話し方センター社長・横田章剛のブログ

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2024年2月27日スピーチ上達のためのポイントとは?


★わかりやすいスピーチ


日本話し方センターの話し方教室では、ベーシックコース2日間集中コースともに、最後に受講生が成果発表スピーチを行います。

話し方教室で学んだことや気付いたことを日常の中で実践した結果などを話してもらっています。

この話し方教室で何を学んだのかを言葉にして皆の前で発表することで、自分の学びや気づきが明確になり、また記憶にも残りやすくなります。

何事も言葉にすることはとても大切なことだと思います。

 

ところで、私はこの成果発表スピーチを毎回聴いていますが、どのスピーチもとてもわかりやすいのです。

こういう話が日常の中でもできれば、格段に話は伝わりやすくなるだろうなぁ、といつも思います。

そこで今回は、成果発表スピーチを聞いて私が分かりやすいと感じるポイントをお伝えします。

人前で話す際のポイントにもなりますので、ぜひご一読ください。


★事例を話す


1つ目のポイントは、話が具体的だということです。

受講生は話し方教室で学んだことを一つだけ取り上げて、

  • 相手の顔を見て話そう

  • 準備が何よりも大切だ


などのテーマでスピーチをします。

その話の中で、日常の一場面を切り取った事例(エピソード)を入れて話す人が多いのです。

その例を一つ、ご紹介しましょう。

受講生のKさんは『相手の顔を見て話そう』というテーマで、次のようなスピーチをしました。

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来店されたお客様に商品の説明をすると、よくこんなことがありました。

Kさん:説明は以上ですが、何かご不明な点はありますか?
お客様:あの~、この部分がよくわからないんですが・・・
K:(えっ!それ、説明の最初の部分なんだけど・・・結局全然わかってもらえてないんだな・・・)

お客様に理解してもらえる説明ができるようになりたくて話し方教室に通い始めました。

スピーチ実習を重ねているうちに、ある日、自分が話をする時、相手の顔を見ていないことに気付きました。

教室では「相手の顔を見て話しましょう」と学んでいたので、この点を改善することを意識しました。

その後、別のお客様に商品説明をする機会があり、お客様の顔を見ながら説明してみました。

すると、お客様が途中で困ったような表情になっていることに気付きました。

K:何かご不明な点がありましたか?
お客様:ええ、さっきの説明のこの部分はどうしてこうなるのかな、と思って

顔を見ながら話すことで、お客様がわからない点をすぐに補足説明することができました。

今まではお客様の顔を見ずに最後まで説明してしまったので、お客様を途中で置いてきぼりにしてしまっていたんだな、と反省しました。

相手の顔を見て話すことで説明がスムーズになり、それが自信につながりました。

私はこれからも相手の顔をしっかりと見て話をします!

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このように、話したいテーマに関する具体的な事例をもとに話すと、話はとてもわかりやすくなります。

それは、聞いている人が頭の中にその話の場面が浮かび具体的にイメージできるからです。

この手法の効果は絶大ですが、ほとんどの人がこのような話し方をしません。

「お客様の顔を見て話すと、その表情を見ながら問い掛けができるので説明がスムーズにできました」

といった、具体性に欠ける話をしてしまいます。

ぜひ事例を交えて具体的な話にしてください。


★語りかけるような口調で話す


わかりやすいと感じる2つ目のポイントは、語りかけるような口調で話す、ということです。

成果発表スピーチでは、多くの受講生が聞き手一人ひとりの顔を順番に見ながら、その人に語りかけるように話をしています。

それが耳に心地よく聞こえます。

人前で話す場合、大勢の人を意識して演説口調になってしまうのはよくあることです。

演説口調は、勢いがよくて力強さを感じる一方で、聞いている方は段々とその強い口調に聞き疲れがしてきます。

3分程度であれば問題ありませんが、それ以上長い時間だと聞き手の集中力がなくなってきます。

一方、一人ひとりに語りかけるような柔らかい口調だと、そうした弊害はないため聞き手は安心して最後まで話を聞くことができます。

その分、話も理解しやすくなるのです。

 

★自分の気持ちを話す


3つ目のポイントは、自分の気持ちを話す、ということです。

スピーチに限らず、日常会話でもビジネストークでも、単なる事実の報告だけしかしないひとをよく見かけます。

しかし、そういう話を聞くと、相手は「それでこの人はどう思ったのだろう?」という疑問が残り、モヤモヤした気持ちになります。

その分、わかりやすかった、という印象は薄れてしまいます。

先に述べたKDさんのスピーチのように

「相手の顔を見て話すことで説明がスムーズになり、それが自信につながりました。私はこれからも相手の顔をしっかりと見て話をします!」

と、自分の気持ちをしっかりと伝えることで聞き手の納得感がさらに高まります。

人前で話をする際はこの3つのポイントを意識して準備してみてください。


★相手に伝わる話し方を学びませんか?


上に述べたことはベーシックコース2日間集中コースの講義で、より詳細に解説しています。

そして、それをスピーチ実習で実践することで自身のスキルとして身につけていただいています。

講師は受講生の特性に応じて個別にトレーニングを行いますので、一人ひとりの特徴に応じた成長を感じていただけます。

ぜひご受講ください!
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